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  • Kei Kumagawa

「生活」全曲解説

Kei Kumagawa本人によるニュー・シングル「生活」全曲解説を試みる。


Kei Kumagawa Brand new Single

「生活」


1. 街の灯

2. 自由になったつもりかい (Cover)

3. 誰にも言えない


500円

Nikushimi Records



この「生活」はね、前作のEP「Betelgeuse’s Forgiveness(ベテルギウスの赦し)」を作った直後から何となく心に浮かんできた、アコースティックでプライベートな、あの、ほんと烏滸がましいけどね(笑)、山口冨士夫さんの「プライベート・カセット」や、ナジオくんの「Nakamura Collection」のような風合いの音源を、いつか作りたい、と。そしてそれは今なんじゃないのか、と考えて急遽制作を決めたものなんだ。当初はミニ・アルバムとして6曲くらい収録してリリースしようと考えていたんだが、プライベートで色々あって、忙しくて時間が作れなかった。

そのとき俺はね、だから延期するんじゃなくて、この風邪っぴきの酷い声と体調のまま、だって理由もプライベートなんだからさ(笑)、いま作れるものを作ろうと思ったんだ。いや、体力的にはすげーキツかったんだけど(笑)。咳止めシロップを飲みながら録音した。



1. 街の灯

この曲を書いたのは今月の頭のことだ。この歌は、なんだろう、……多分、俺は反社会的な人間なんだと思う。それをカッコいいとも、良いことだとも勿論思ってはいない。俺は危ない奴じゃない。放っておいてくれれば何の危険もないよ(笑)。ただの酔っ払いだ。喧嘩も弱いしな(笑)。

生きていることは、美しいと思う。だけど生きるためにやらなきゃならないことは美しくないよな。それをやるのが大人というか、人間なんだろうと思う。ある程度、分かる。俺もいい歳だからね(笑)。

世の中って、なんなんだろうな。俺にはもう分からないよ。人とは違う自分とか、個性とか、そんなもん何とも思ってないよ。兎に角、草臥れたよ、疲れたな、っていう歌(笑)。



2. 自由になったつもりかい

この曲は昔一緒に音楽活動をやっていたチキン・ショージというシンガー・ソングライターが書いたものだ。それを今回カヴァーした。この曲は、元々はビートにシャッフルが掛かってなくて、ストレートな8ビートのパンク・ロックンロールだったんだ。これまでにも何度かライヴでカヴァーしたことがあって、そのときに俺は今回のヴァージョンのようなアコースティック・レゲエのアレンジで演奏していた。あとThe Clashの”Jimmy Jazz”みたいにならんかな、とか(笑)。

今回の「生活」の音源はね、聴いての通り全てホーム・レコーディングなんだ。色々生活音やらが入っていると思う。別にそれが売りでは勿論無いし(笑)、だけど、今回の音源のテーマが「生活」だからね、これは仕方ないんだぜ、と思ったよ(笑)。


俺はこの曲を初めて聴いたときね、最後の歌詞のさ、「本当はあんたのことなんて / 俺はどうでもいいんだよ」ってところ。あれがめちゃくちゃ響いたんだ(笑)。彼奴は凄い奴だな。彼奴は音楽活動からは足を洗ってしまった。そういう話をしたときにね、今でも覚えてる。六本松の焼き鳥屋だった。俺たちは、例えば「ジョナサン・リッチマンが評価されないような世界で一体何をやるんだよ」みたいな話をしたよ(笑)。俺はまだこの街にしがみついて音楽をやってる。そのことについて、今は気の利いたことも言えないよ。俺は疲れた。疲れた、ってことを分かるためにやってるのかもな。



3. 誰にも言えない

コード進行の前半分がニール・ヤングのDEAD MANのテーマのパクリだ。これだけは言っておかないと(笑)。


この歌は、元々は「方法」というタイトルで、前述したチキン・ショージと一緒にやってた頃に書いたものなんだ。曲は全く別のものが付いていて、今回歌詞の一部を使い回して、書き足して、再構築して、新たな楽曲として生まれ変わった。ヘヴィなカントリー・ブルースみたいなものをエレクトリック・ギター一本で演る、というのを一度やってみたかったんだ。ばっちり出来た。と思う(笑)。

音源のサウンドはね、エレクトリック・ギターの録音がとてもチープじゃろ? リヴァーヴもゼロにしたしね。そういうものを作ろうと思ったんだ。良い音質のギターはね、これからライヴで御披露目すると思う。

この曲と「街の灯」、この歌詞が、まさに今の俺なんだ。本物の、リアルな感情を込めて録音した。



これらを録音した時分には、何しろ声の、喉の状態が酷くてね。聴き苦しい部分があるかもしれない。けどライヴも大概聴き苦しいからな(笑)。なんだろう、言い訳する必要がないというか(笑)。

これが俺だよ。ファッキン努力はしてるさ(笑)。


11月はね、今後もあと2本ライヴがある。スケジュールをチェックして、聴きに来てくれると嬉しい。この「生活」を持って行くよ。多分12月はね、打って変わってライヴをやらないと思うんだ。


俺はいま、ただの生活者だ。そのことを良いとも悪いとも思わない。だけど、俺はこれからも、俺の欲望のために生きる。それは、俺にとっては良いことなんだ。


2019年11月18日。レモン・サワーと。

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